イソトレチノインとうつ病や精神疾患との関連について
- SC オンラインクリニック
- 3月16日
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更新日:4月11日

イソトレチノインとうつ病や精神疾患との関連について
尋常性ざ瘡(ニキビ)は、あらゆる年齢の人に影響を及ぼし、皮膚科を受診する最も一般的な理由とされています。イソトレチノインは、重症ニキビ治療において最も効果的な治療薬ですが、一部の報告ではうつ病や自殺リスクとの関連が指摘されており、その使用には注意が必要です。
今回は、イソトレチノインと精神的健康の関係について、医学英語論文をもとに詳しく解説します。
参考論文:Association of Isotretinoin With Depression and Suicide: A Review of Current Literature, J Cutan Med Surg. 2018 Jan/Feb;22(1):58-64.
📍 イソトレチノインとうつ病・自殺の関連性について
イソトレチノインがうつ病や自殺と関連する可能性があるかどうかについて、多くの研究が行われています。
✔ 症例報告やデータベース研究の結果
イソトレチノインとうつ病・自殺の関連が示唆されています。
また、分子生物学的にも関連がある可能性が考えられます(例:神経伝達物質の変化、ビタミンA代謝の影響)
✔ 前向き研究の結果
イソトレチノインがうつ病を引き起こすかどうかは明確に証明されていません。
むしろ鬱を改善させるなどの、正反対の結果が出ています。
また、どのような患者が特に精神疾患のリスクを持つのかを特定するのは難しいという結果になっています。
📍 どのような人がリスクが高いのか?
現在の研究では、イソトレチノインを服用するすべての人にうつ病や自殺リスクが高まるわけではないとされています。しかし、以下のような背景を持つ人は、特に注意が必要と考えられています。
🔸 過去にうつ病を経験したことがある人
このようなリスク因子を持つ方は、イソトレチノインの使用を開始する前に医師と慎重に相談することが重要です。
📍 イソトレチノイン治療中の精神的健康の管理
イソトレチノインの使用を検討している、またはすでに服用している方は、以下の点に注意しましょう。
✅ 服用開始前に精神的健康状態を確認する
うつ病や不安症の既往歴がある場合、事前に医師と相談しましょう。
✅ 定期的に精神的健康をチェックする
服用中は気分の変化、意欲の低下、不安の増大がないかを定期的にチェックしましょう。
家族や友人にも変化を見守ってもらうのが有効です。
✅ うつ症状や自殺念慮がある場合はすぐに相談する
「気分が落ち込む」「意欲がわかない」「不安感が強い」と感じたら、すぐに医師やメンタルヘルス専門家に相談しましょう。
✅ イソトレチノインを使用する際は医師の指導のもとで
個別のリスクを考慮しながら適切な管理を行うことが大切です。
📍 まとめ
🔹 イソトレチノインは、ニキビ治療に非常に効果的な薬剤ですが、一部の方においてうつ病や自殺のリスクが高まる可能性が指摘されています。 🔹イソトレチノイン治療中は、うつ症状や気分の変化を定期的にチェックし、異常があればすぐに専門医に相談しましょう。 🔹 現時点ではイソトレチノインとうつ病の関連について決定的な結論は出ていませんが、精神的健康の管理は不可欠です。
SC オンラインクリニックでは、ニキビ治療に関する適切なアドバイスを提供するとともに、治療中の患者さんの精神的健康管理もサポートしています。イソトレチノインの使用について不安がある方は、ぜひご相談ください!