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イソトレチノインの副作用と対策

  • 執筆者の写真: SC オンラインクリニック
    SC オンラインクリニック
  • 4月17日
  • 読了時間: 3分

イソトレチノインの副作用

イソトレチノインは皮脂分泌の抑制や抗炎症作用などの効果があり、アメリカではFDAの認可を受けている薬です。日本ではニキビ治療薬として未承認のため個人輸入は禁止されていますが、医師が輸入し、処方することは認められています。


ただ、副作用をよく理解したうえで服用しなくてはいけません。


今回は、イソトレチノインの主な副作用と、そのリスクを最小限に抑えるための対策について詳しく解説します。



~イソトレチノインの副作用~



  1. 皮膚や粘膜(唇、眼、鼻など)の乾燥


    特に唇のひび割れや肌のつっぱり感が現れやすく、場合によってはドライアイや鼻血が生じることも。これらの症状は、保湿効果の高いワセリンやヒルドイドローション、ドライアイ用の目薬などを使用したりで軽減することが可能です。


  2. 頭痛、めまい、吐き気


    イソトレチノイン服用中に、頭痛、めまい、吐き気などの症状が現れることがあります。この症状は「頭蓋内圧進症」と呼ばれ、特にテトラサイクリン系薬剤(ミノマイシン、ビブラマイシンなど)との併用時にリスクが高まります。ミノマイシンやビブラマイシンとの併用はしないように注意しましょう。もしこれらの症状が現れた場合、十分な休息を取り、水分補給を心がけ、お酒は控えるようにしましょう。


  3. 脂質異常と肝機能障害


    脂質異常(コレステロール、中性脂肪)や肝機能障害を引き起こすことがあります。医師のアドバイスに従い、定期的に血液検査を受けるようにしましょう。


  4. 炎症性腸疾患のリスク


    炎症性腸疾患のリスクが高まることがあります。腹痛や下痢、下血が現れた場合は、すぐ医師にご相談下さい。


  5. 妊娠中の使用は厳禁


    イソトレチノインは胎児に悪影響を与える恐れがあるため、妊娠中の服用は絶対に避ける必要があります。催奇性や流産、早産、死産のリスクがあり、内服中は避妊が必須です。女性は投与中と投与後6か月の避妊、男性は投与中と投与後1か月の避妊が必要です。


  6. 性機能への影響


    女性は月経不順、男性は性欲減退やED(勃起不全)が現れる可能性があるため、これらの症状が気になる場合は、医師にご相談ください。


  7. 精神的な影響


    一部の方で、気分の落ち込みや不安感を引き起こすことがあります。こうした症状がある場合は医師に相談し、必要に応じて治療を中断するか、精神科を受診する必要があります。


  8. 光過敏症


    イソトレチノインを服用することで、紫外線に対して肌が敏感になります。季節に関係なく外出時には日焼け止め(SPF30以上)を塗布することが重要です。




まとめ


イソトレチノインは非常に効果的な治療薬ですが、その副作用も起きうるため、服用する際には十分な注意が必要です。副作用を最小限に抑えるためには、医師の指導を守り、正しい服用方法を守ることが最も重要です。服用中に異常を感じた場合はすぐに医師に相談し、安全に治療を進めましょう。

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